密室から漏れる声

2010年08月22日

「ねえ、聞いてみようよ」
私とユリ姉はミッヒの部屋の前で
耳をダンボにしていました。
ミッヒが女の子を連れ込んだからだ。

私達は普通のファミリーマンションに住んでおり、各部屋には鍵がなかった。
そこで、家に誰かを呼ぶ時にはトラブルを回避する意味でも、事前に承諾を得ることにしていた。

シェア当初は、どんな友達が何人来るかいちいち説明していた私達だが、
3年目ともなると「明日、友達が来るから」の一言で終わり。
私の友達が来た場合、ユリ姉も一緒におしゃべりに加わります。
その逆もしかり。
しかし、ミッヒが女の子を連れて来た場合、私達はあまり話をしなかった。
社交的な私達は、誰であってもフレンドリーだが
相手の女の子がタジタジになってしまうことが多いのだ。

デカい女2人に、上から下までジロリと見られるから?
もちろん、私達は笑顔で挨拶しているつもりなのだが・・・。
しかし、その方がミッヒには都合がいいようだった。
すぐに自分の部屋に連れ込めるから。

やることは毎回一緒。
部屋の電気を消して映画鑑賞。
私は本当に映画を楽しんでいるのだと、信じて疑わなかった。
恋人同士ではなく、友達同士なのだから。

「なわけないじゃん!」と、ユリ姉。

「映画観るだけなら映画観行くでしょ?部屋来ないでしょ」
しかし、恋人じゃないみたいだし、一夜のアバンチュールってやつ?
「私、まだ処女です!」みたいな顔してるのに世の中怖い。

「ちょっと、聞いてみようか。何してるか、すぐわかるよ」
ユリ姉の、いつもの悪ノリが始った。
私達はミッヒの部屋の前で耳をダンボに・・・・・・でも、ぜーんぜん何も聞こえない。
映画の音声も、話し声も、もちろんユリ姉が言うところの「何か」をしている声も聞こえない。

「大変だよね。私達みたいな小姑がいちゃ、声出せないんだよ。フフフ」
そう言って、ユリ姉さんはリビングへ戻りました。

私はもう少し、様子を窺っていたかったけど止めた。
本当に声が聞こえてきたら、それこそ立ち去れなくなってしまいそうだから。

彼女達がタジタジになっていたのは、
これから起こるであろう密室での出来事に気持ちが高揚していることを、
私とユリ姉に悟られたと思ったからだったのだ。

★ルームシェア、ルームメイト、ルームシェアはルームシェアスタイル★

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